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dvas9900

3点支持と4点支持

DVAS Model 1はもともとインシュレータを4個装備した4点支持で設計しました。


ただ、3点支持も可能なように、あらかじめシャーシに穴加工をしてあります。


アンプをどのように支えるのかは製品の大きさや重さ、それから最終的な音質などの観点から、各社各様です。プリアンプやフォノイコライザーアンプなどの場合、4点支持の製品が多いと思いますが、ハイエンド製品の中には3点支持のものも目立ちます。


インシュレータの寸法や筐体の精度に問題がある場合、4点支持ではガタが発生することなどもあり、特に自重でたわむことのないハード系のインシュレータを採用した製品では、きちんとした寸法管理が重要です。


その点、3点支持であれば、少なくともガタは本質的に発生しません。それゆえにしっかりと接地面に置くことができますので、音質上も有利なことが多いようです。4点支持の製品であっても、ハード系のインシュレータを購入し、3点支持で固定してみると、多くの場合、4点支持よりも3点支持のほうが音がクリアになり、解像感もあがるように感じます。


Model 1も納品のときに、ユーザーに試してもらったことがあるのですが、これが100%、皆さん3点支持を選ばれます.じっくりヒアリングしてとかいうことではなく、4点支持から3点支持に変更し音を出した瞬間に「こっち!」となってしまいました。もちろん、私も同席させていただき、その音を確認しております。わかっていたことではあるものの、明らかに3点支持の方が音質は優れています。


オーディオファンの中には3点支持は不安定だから嫌、という方もおり、私の友人にも3点支持を好ましく思わない方もおります。ただ、さすがにこの音質の差を聴いてしまうと、製品として4点支持のものをリリースする理由が見当たりません。


そこで、Model 1は基本的に3点支持に仕様変更することにしました。


セット重量が軽い場合、3点支持だとケーブルなどの接続時にグラグラすることもありますが、Model 1は16kg以上ありますので、3点支持であっても、ちょっとやそっとではセットがグラグラしたりしません。もちろん、3点支持はどうしても嫌という場合は4点支持で納品させていただきますので、ご注文時にお知らせください。価格はどちらも同じです。


Model 1の4点支持と3点支持の音質の差が大きいのは、3点支持の構造にあると考えています。通常3点支持でも4点支持でも、インシュレータは多くの製品で底板に固定されています。Model 1も見かけ上は底板に固定されていますが、セット全体の質量は底板では支えていません。天板、フロントパネル、リアパネルはすべて分厚い左右のアルミブロックに固定されており、インシュレータはそのアルミブロックを支える位置に配置されますので、すべての質量はアルミブロック経由でインシュレータで受けることになります。極端に言えば底板がなくてもセットとして成立するわけです。


さらに3点支持の場合は前方二個のインシュレータはアルミブロックを支えますが、後方中央の一個は13ミリの厚さを持つリアパネルを支える構造になっています。Model 1のアンプ基板はリアパネルに固定されていますので、3点支持とすることでアンプ基板のメカニカルアースを最短距離でとることができます。これにより、音質が大きく向上するのではと考えています。


アンプの音質を決定する要因として構造が重要であることは、こういった事実からも伺い知ることができます。



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